(増補版)518E2/3:1/3:気になった事柄を集めた年表(1890年9月〜1890年9月)

題:*(増補版)518E2/3:1/3:気になった事柄を集めた年表(1890年9月〜1890年9月)
...(真を求めて 皆様とともに幸せになりたい・・日記・雑感)
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1890年9月20日、フランスより、初めて輪転印刷機が輸入
 された(東京着)
  1890年、印刷局朝日新聞社が、マリノニ輪転印刷機
 を輸入した。
  翌年・1891年、東京朝日新聞社が、民間で日本初の輪
 転印刷を開始した。
  印刷能力はそれまでの約20倍と、大幅に向上した。
  (別史料)マリノニが製造した輪転機が、日本に輸入
 されたのは1890年であり、
  帝国議会の開設に合わせて官報印刷用に導入した内閣
 官報局と、朝日新聞社に導入された。
  このマリノニ輪転機は、8ページ建ての新聞を1時間に
 3万部印刷することが可能であり、従前の旧型機の20倍に
 相当する効率であった]。
  その後、20世紀に入ると、マリノニ輪転機を参考に製
 造された国産の輪転機が普及するようになり、「マリノ
 ニ型輪転機」などと称され、ほぼ半世紀にわたって日本
 の新聞印刷機の主流となった。
  (別史料)マリノニ型印刷機の日本への到来は・・、
  (1)1890年、マリノニ社から巻取活版輪転機4台購
 入。(毎時4頁新聞15,000枚)、印刷局2台、東京朝日
 新聞1台。日本新聞1台。
  (2)『大蔵省印刷局百年史』:高橋局長は、このマリ
 ノニ式印刷機二台を製造させ、1890年9月20日に帰朝した
 が、これがわが国における輪転印刷機の初め。
  (3)『朝日新聞社史』:1890年9月27日、東朝が、わ
 が国新聞界最初のマリノニ輪転機設置を社告、11月22日、
 大朝も社告。
  (4)共同印刷株式会社『共同印刷90年史』:マリノニ
 社活版輪転機、1890年9月、フランスから輸入。
  当時の大蔵省印刷局、東京朝日新聞社日本新聞社に
 設置。
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  (今日の言葉)
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  題:かつて、多くの日本の大発明は・・奪われ、そして、潰された・・
    そして、今も・・か・・?
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1908年、「この年に、アメリカで、黒人大暴動が起きた」
 と・・この事が、歴史的事実だとして、書籍に書かれて
 いるが・・また、教科書にも書かれているが・・まった
 く違う。
  これは、白人の、そして、キリスト教徒のプロパガン
 ダ(嘘宣伝)だ。
  人種がからむ、この様な、歴史的事実は・・まったく・・
 これの逆なのだ・・アメリカは、特に、この様な悪行為
 をする国となっているから・・卑劣だ。
  『白人の悪行為が、カモフラージュされている』。
  『黒人の方々が、悪者にされている』。
  この様な事が、よくなされるから・・なおさら、ひど
 い人種差別が感じられる・・
  この事件は、白人が、黒人の方々へ、ひどい暴挙を働
 いていた・・これが隠されている・・『まったく隠され
 る』という人種偏見行為の、数多くあるサンプルとなっ
 ている。
  さんざんやって来た白人の悪行為の次ぎに、やむを得
 ず起きた事件がが「歴史的な事件だとした嘘が・・記さ
 れている」。
  アメリカの白人の悪さが・・隠されている。
  事件が起きた場所は、アメリカのイリノイ州のスプリ
 ングフィールド。
  黒人の方々は、「いつも、虐げられていた」。
  あまりの酷さの中にあったが、この時は違った。
  黒人の方々は、ファイトバック(抵抗行動)をした。
  黒人の方々は、今までの卑劣な白人たちの虐げに、こ
 の時は、激しい抵抗を試みた。
  アメリカの白人たち(WASP、白人・アングロサク
 ソン・キリスト教プロテスタント、)は、それでなくて
 も、黒人の方々を「殺したり」「リンチをしたり」「人
 権を無視し、人権を奪う行為をしたり」していた。
  あるジャーナリストが、この卑劣さを公正に伝えた。
  そして、黒人の方々の当然の権利の「政治的公正さ」
 「市民的自由の保障」をすべきだと記した。
  この事などは、当然なことなのだが・・、
 非民主主義の国・アメリカは、『黒人の方々への民主主
 義は除外した』。
  最低レベルのアメリカには、この事実を書く必要があ
 るという「レベル程度の低いアメリカ」だった(今もで
 ある・・)。
  この非民主主義的行為・非人道的行為を、アメリカは、
 恥じよ!
  奴隷制度で、あれほど虐げたのに、まだ、こんな事を
 やっている。
  黒人の方々は、これを契機に、『全米黒人地位向上協
 会』を結成した(1909年2月12日)・・
  ウィリアム・E・ウォーリングのメディア活動があっ
 た。
  歴史的記述をみる時、白人の見方や、キリスト教の見
 方で、事実が逆転しているから注意をする必要がある。
  この場合も、白人の「黒人の方々への暴挙」がなされ
 たから起きたのであって、
  何もないのに、急に、黒人の方々が大暴動を起こした
 のではない。
  アメリカが、ハワイで、日本の潜水艦を5隻も、アメリ
 カが先に日本の潜水艦を攻撃して沈没させていながら、
 アメリカの発した言葉は、『日本が先に攻撃した、奇襲
 した』という『まったくの嘘の言葉』だという始末だか
 ら注意を要する。
  電信などなど完全に傍受し、日本の連合艦隊の動きを
 完全に知っていた・・「『奇襲だ』なんていう嘘が良く
 言えたものだ」の状態だった・・また・・、
  ルーズベルト大統領は『明日、日本が攻めて来るよ』
 と口を滑らせたくらいだった。
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1920年カリフォルニア州で、新たな排日土地法が成立し
 た。
  (1913年の土地法は、「日本人移民」の土地所有を禁
 止するものだったが・・、
  今度のこの法律では、「日本人移民の子供=いわゆる
 二世」までもが、土地所有を禁じられることになった)
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1924年、「絶対的排日移民法」が成立した。
  この法律が破廉恥なことは、これまでの排日法が州法
 であったが、この法律は「連邦法」で、アメリカは、国
 家として、日本からの移民を排斥することにした。
  この当時のアメリカ大統領は、「遺憾に思う」と表明
 した。
  アメリカ大統領は、この法律に反対だった。
  昭和天皇陛下も『失望』を表明されている。
  何しろ、何が悪いと言ったって、『人種』として日本
 が嫌いだという、理由ではない理由で、国としてアメリ
 カは日本を排斥した。
  まったく軽蔑すべき人種差別、人種蔑視の行為をした。
  これが、第二次世界大戦への、戦争への遠因の一つと
 なった。
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1943年2月、アメリカの極東専門家の第一人者のラティモア
 が、「アジアにおける解決」を発表し、
  その中で、天皇陛下とその一族の『中国監禁』を主張
 した。
  また、ラティモアが、時々、執筆した左翼系アジア専
 門誌「アメラジア」は、天皇陛下戦争犯罪説をキャン
 ペーンした。
  このラティモア・オーエンは、アメリカのアジア研究
 家であるが、子供のころ、父親と共に中国に渡り、12歳
 までの幼少期は中国で育った。
  1941年、蒋介石の特別顧問となり
  1943年〜1944年には、アメリカの戦時情報局(OWI)
 の極東部主任となり、戦後の対日政策をまとめた「アジ
 アにおける解釈」をまとめ、天皇陛下とその一族は中国
 へ送還せよと主張した。
  1950年に、ラティモア・オーエンンは、ジョセフ・マ
 ッカーシー上院議員から「ソ連スパイ網のトップだ」と
 告発された。
  そして、下院非米活動委員会などの喚問を受け、職を
 去った。
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2016年4月1日、日本のノーベル賞受賞者が、最近でこそ、
 毎年、受賞者のある状況となっているが・・、
  過去に於いて、いく人もの『日本人の大発明』が、ア
 メリカに奪われ、また、アメリカに潰されたことか・・、
  その隠れた日本人の大発明家は、偉業を表彰され、そ
 の功績を讃えられ、労をねぎらわれる行為すらなされて
 いない。
  埋もれてしまっている・・悲しむべき大発明家たち・・、
  白人・キリスト教徒のノーベル賞委員会は、お手盛り
 でやっている・・この日本の隠れた大発明家の方々を、
 当然の如く無視している。
  そこで・・アメリカが絡(から)んでいるSTAP細
 胞の件であるが、果たして、STAP細胞は大発明だっ
 たのだろうか?
  この日の日付で、上田眞実氏の文がある・・それが、
 以下である・・、
  表題:STAP現象、理研で再現されていたことが発覚…
    若山教授、不当に実験成果物を大量持ち出し
  文=上田眞実/ジャーナリスト
  http://biz-journal.jp/2016/04/post_14498.html
  1月に発売された小保方晴子氏(32歳)の告白本『あの
 日』(講談社)は、3月に入ってすぐ5刷りされ、販売26
 万部を超えるベストセラーとなっている。
  講談社担当者は、「読者からは多数の共感と応援を頂
 いております」といい、これからも売れ行きは伸びるも
 よう。
  本書をめぐっては、賛否両論が渦巻いているが、重要
 な点は、本書の内容が本当なのかどうかという点であろ
 う。
  そこで、本稿では、小保方氏が所属していた理化学研
 究所が開示した書類等を参照しながら、時系列で検証し
 てみたい。
  2014年3月10日、小保方氏の共同研究者であった若山照
 彦博士(山梨大学教授)が論文を撤回し、STAP細胞問題
 が表面化した。
  同年・2014年12月25日に公表された「研究論文に関す
 る不正調査委員会」(委員長・桂勳氏)の「研究論文に
 関する調査報告」(P.13)では、
  STAP細胞の研究成果は、「ES細胞の混入である可能性
 が高い」とされている。
  また、理研は、2015年3月20日に、「運営・改革モニタ
 リング委員会による評価について」のP.85で、STAP細胞
 論文は「ほぼ事実ではなかった」と宣言しており、
  STAP細胞は、その存在を完全に否定されたかに見える。
  しかし、STAP細胞が発表された直後、若山氏は、2014
 年4月17日付「日経Bizアカデミー」記事『「その時マウ
 スは緑色に光った!」若山教授が語った幻のSTAP細胞
 生秘話』内で、STAP細胞実験の成功秘話を克明に語って
 いるのだ。
  これには、多くの疑問の声が上がっている。
  さらに、アメリカの研究者グループが、STAP現象と同
 じ実験結果から多能性細胞をつくることに成功している。
  実は、STAP細胞論文への疑惑が取り沙汰された後に、
 理研が行った再現実験で、『STAP現象は確認されており』、
 それは『あの日』(P.220)にも書かれている。
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2016年5月20日、また、キリスト教に偏し、アメリカになび
 くNHKの動きに、以下の事がある・・
  STAP問題、小保方氏犯人説を否定する検察判断…嘘広
 めたNHKと告発者の責任問われる
  2016年05月20日 06:13、Business Journal
  http://biz-journal.jp/2016/05/post_15165.html
  STAP細胞をめぐる問題で、理化学研究所の研究室から
 何者かが、ES細胞を盗んだ疑いがあるとして、2015年5月
 14日、元理研研究者である石川智久氏が、刑事告発して
 いた。
  しかし、1年あまりの捜査の結果、今月18日、神戸地方
 検察庁は「窃盗事件の発生自体が疑わしく、犯罪の嫌疑
 が不十分だ」として不起訴にした。
  地方検察庁が、「窃盗事件の発生自体が疑わしい」と
 いう声明を出すのは異例だが、この騒動は一体なんだっ
 たのだろうか。
  告発者の石川氏は、当時メディアに対して次のように
 発言していた。
  「私の調査から、小保方晴子氏が、若山照彦教授の研
 究室(以下、若山研)からES細胞を盗み出したと確信し
 た。
  (告発しなければ)さもないと日本の科学の信頼は地
 に落ちたままである」
  さらに石川氏は、独自に入手したという小保方氏の研
 究室(以下、小保方研)のフリーザーに残されていたサ
 ンプルボックス(細胞サンプルが入った容器)の写真を
 マスコミに提供し、
  そこにあるES細胞が動かぬ証拠だと主張していた。
  しかし、その後、ジャーナリスト上田眞実氏の調査に
 より、このサンプルボックスは、若山研が理研から引っ
 越す際にそのまま残していった、いわゆるジャンク細胞
 (使い道のない細胞)であったことがわかった。
  理研では、細胞などの試料を外部へ移動させる際には、
 MTA(試料提供契約)を必ず提出しなければならないこと
 になっている。
  だが、上田氏の取材で、証拠として示したサンプルボ
 ックスに関しては、若山研からMTAが出されていなかった
 ことが明らかになった。
  さらに、理研に対し若山研から盗難届も出されていな
 かったことも判明した。
  理研関係者に取材したところ、若山研に限らず、研究
 室が引っ越しする際に使わない試料をそのまま置いてい
 くことが多かったという。
  残されたジャンク細胞の処分問題に理研も苦慮してい
 た。
  小保方研にあったサンプルボックスも、そのひとつだ
 ったのだ。
  このサンプルボックスは、若山研が、2013年に、理研
 から山梨大学へ引っ越す際に残したものだが、その時点
 では、STAP細胞の主要な実験は終わっており、英科学誌
 「ネイチャー」向けの論文作成が佳境に入っている時期
 だった。
  石川氏の主張が正しいなら、小保方氏は、実験終了後
 にES細胞を盗み、過去にタイムトラベルをしてES細胞
 混入させたSTAP細胞を若山氏に渡したことになる。
  このような非現実的な主張を、当時のマスコミは裏も
 取らずに大々的に取り上げ、小保方氏をES細胞窃盗犯の
 ように報道していた。
  つくられた小保方氏犯人説
  さらにこの告発には伏線があった。
  2014年7月27日に放送されたテレビ番組、『NHKスペシ
 ャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層』である。
  同番組内では、若山研にいた留学生と名乗る人物(後
 に、Chong Li博士と判明)が登場し、小保方氏の研究室
 にあったサンプルボックスについて次のように証言して
 いた。
  「びっくりしました。
  保存しているのは全部ES細胞ですので、なぜか、STAP
 細胞に関係があるところに見つかったのは本当にびっく
 りしましたね。
  (小保方氏に)それを直接私が渡したことはないです」
 (Li博士)
  この発言を受けて、番組では次のようなナレーション
 を流していた。
  「なぜ、このES細胞が、小保方氏の研究室が使う冷凍
 庫から見つかったのか、私たちは、小保方氏にこうした
 疑問に答えてほしいと考えている」
  Li博士に対しては、石川氏も取材したといい、Li博士
 は、「(若山研では、続きの実験が計画されていたので、
 実験を)山梨大で続けるつもりだったが、ES細胞を紛失
 したことで、それを断念した」と語ったと証言している
 (「フライデー」<講談社/15年2月6日号>より)。
  そもそも、Li博士のES細胞は、STAP研究とはまったく
 関係のない種類のES細胞であることは、石川氏の告発状
 が出される時点で判明していた。
  それにもかかわらず、『NHKスペシャル』と同様に石川
 氏は、あたかも、Li博士のES細胞がSTAP研究に混入され
 たとされるES細胞と同一であるかのような告発状を作成
 し、マスコミに配布していた。
  石川氏の告発内容が、のちに虚偽であったことが判明
 したが、マスコミは、その告発状の論旨をベースに国民
 をミスリードさせていった。
  また、若山研では、ES細胞を紛失したため、実験が続
 けられなくなったと報道されたにもかかわらず、若山研
 から理研に対し紛失届が出されていない。
  本当に必要なサンプルだったのならば、実験を断念せ
 ず、理研に紛失届を出すのが自然だろう。
  それを出さずに、マスコミに「盗まれたかもしれない」
 とリークする目的はなんだったのだろうか。
  NHK毎日新聞がそうであったように、石川氏も、若山
 研を情報源とするものが多いが、何か理由があるのだろ
 うか。
  同番組放送後、世間は、一気に「小保方氏犯人説」に
 傾いていく。
  その影響は、今なお色濃く残っている。
  NHKは、十分な取材をしたと主張しているが、なぜ、
 MTAを確認するという基本的な裏取りをせずに、このよう
 ないい加減な放送をしたのか疑問である。
  同番組は、昨年8月からBPO放送倫理・番組向上機構
 の審理に入っている。
  今年4月26日、BPO臨時委員会が行われ小保方氏からヒ
 アリングを行っている。
  同日出席するはずだったNHK番組関係者は、熊本地震
 取材を理由に全員欠席した。
  NHKスペシャル、そして、石川氏による刑事告発によっ
 て、小保方氏の名誉は著しく毀損した。
  一人の研究者であり、ひとりの人間である小保方氏の
 人生を破壊しかねないこの事案に対して、今後、どのよ
 うな責任を取るのだろうか。
  そして、野次馬のように小保方犯人説に便乗し、個人
 攻撃を徹底的に続けてきた無数の人物に問いたい。
  「あなたは、あなたの無神経な批判の刃の先に倒れた
 ひとりの人間の人生を想像することができるのか」と。
  (文=大宅健一郎/ジャーナリスト)
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2017年02月21日、そして、今年になって、やっと、その陰
 の陰謀的行為をしたNHKが糾弾される。
  STAP細胞を発明したかもしれないという・・
  大発明家かもしれないという小保方晴子氏を扱ったN
 HKスペシャルが、「人権侵害をしている」とBPO
 ら判断された。
  その記事が・・以下である。
  表題:小保方氏のNスペでBPO「人権侵害あり」勧告 
     委員の主観で判断できるのか
  2017年02月21日 11:30dot.
  https://dot.asahi.com/aera/2017022000088.html
  会見するBPO放送人権委員会の坂井眞委員長。
  BPOは、放送倫理や放送による人権侵害などを検証
 する、民間の放送局やNHKが設立した第三者機関。
  人権侵害に基づく勧告は、BPOの判断としては最も
 重い=2月10日、東京都千代田区 (c)朝日新聞社
  疑義のあるSTAP細胞の報道をめぐり、BPOは「人権侵害
 あり」の勧告をした。
  委員の主観に頼らざるを得ない判断が、調査報道の萎
 縮につながりはしないか。
  放送倫理・番組向上機構BPO)の放送人権委員会は、
 2月10日、小保方晴子氏に対する名誉毀損による人権侵害
 があったとして、再発防止を求める勧告をした。
  この勧告は、発表資料だけに頼らない報道の今後の在
 り方を問うものだ。
  問題の番組は、2014年7月27日放送のSTAPスペシャ
 「調査報告 STAP細胞 不正の深層」。
  放送の半年前に、作製が容易な新しい万能細胞として
 大々的に発表されたSTAP細胞をめぐる調査報道だ。
  何が問題となったのか・・、
  名誉毀損の判断は、「一般視聴者がどう受けとったか」
 を基準とする。
  委員会は、番組前半の「STAP細胞は存在するのか?」
 から、視聴者は次の四つを「事実」ととらえたと判断し
 た。
(1)STAP細胞の正体はES細胞である可能性が高い。
(2)細胞の解析によれば、小保方氏のつくったSTAP細胞
  精子が緑色に光る遺伝子が入ったアクロシンGFPマウス
  に由来するES細胞である可能性がある。
(3)STAP細胞は、元留学生がつくり、小保方氏の冷凍庫に
  保管されていたES細胞に由来する可能性がある。
(4)小保方氏には、元留学生のES細胞を不正な方法で入手
  し、混入してSTAP細胞をつくった疑惑がある。
  番組で示されたこれらの事柄(摘示事実)が、小保方
 氏の社会的評価を下げたことは明らかだ。
  だが、公共性・公益性の認められる調査報道では、真
 実(真実性)か、真実と信じる相当の理由がある(相当
 性)ならば、名誉毀損にはならないとされる。
  委員会は(1)と(2)には真実性があるが、(3)では
 認められないとした。
  (3)で示された元留学生のES細胞は(2)のアクロシ
 ンGFPの入ったES細胞ではなく、そうだと見なせる相当性
 もないからだ。
  (3)が認められない以上、前提となる(4)にも真実
 性・相当性はないとし、名誉毀損による人権侵害があっ
 たと結論づけた。
  2人は「人権侵害なし」
  ただし、9人の委員のうち2人は意見が異なる。
  奧武則委員は、アクロシンGFPの入ったES細胞と元留学
 生のES細胞のエピソードは別の話として視聴者は見るだ
 ろうとし、(4)にも相当性があるので「人権侵害があっ
 たとまでは言えない」。
  もう一人の市川正司委員も、「名誉毀損があったとは
 考えない」が、奧委員とは理由が違う。
  小保方氏の冷凍庫にあった複数のES細胞のうち、どれ
 かがSTAP細胞の正体となった疑いがあるとの考えには相
 当性があり、名誉毀損とはいえないとした。
  ただし、複数のES細胞の中で、元留学生のものに焦点
 を当てたことには相当性がなく、不正確で勇み足だと断
 じた。
  つまり、小保方氏の冷凍庫内の複数のES細胞を全て映
 していれば、問題はなかったという判断だ。
  このパートについて、坂井眞委員長は、「取材が不十
 分だったのではなく、編集上の問題。
  アクロシンGFPES細胞の話と元留学生のES細胞の話を
 分けて示せばよかった」と話す。
  だが、小保方氏の冷凍庫に、元留学生のES細胞があっ
 た点は真実性がある。
  元留学生の証言から、これを、小保方氏が不正に入手
 した疑惑には相当性がある。
  これが、アクロシンES細胞ではないことが明示された
 としても、視聴者は結びつけてしまうのではないだろう
 か。
  坂井委員長は、「その表現を見てからでないと判断で
 きない」と話す。
  小保方氏の冷凍庫には、ほかにも複数のES細胞があり、
 そのうちの一つが、STAP細胞の正体だったことがのちに
 わかっている。
  市川委員の意見のように、これらを全て映していれば、
 元留学生のES細胞は、入手方法の不明さを示すあくまで
 一例となり、問題にはならなかったのか。
  ここの線引きもよくわからない。
  「一般視聴者がどうとらえたか」は、委員の主観的な
 判断に頼らざるを得ない。
  委員会は、調査報道が萎縮することがあってはならな
 いと強調したが、主観に左右される「一般視聴者のとら
 え方」を相手に、どこまで疑惑に踏み込んだ報道ができ
 るのかには疑問が残る。
  (科学ライター・詫摩雅子)
  ※AERA 2017年2月27日号
..
 (詳しくは、以下のブログへ。そして、宜しければ、
        このブログを世界へ転送してください)
  http://blog.goo.ne.jp/hanakosan2009
または
  http://d.hatena.ne.jp/HACHI2009/archive