TPP、日本よ、途中から抜ける気があるなら、最初から来るな。

題:TPP、日本よ、途中から抜ける気があるなら、
.....................................最初から来るな。
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(国際条約討議中に抜けるなんて、そんなこと、できるはずな
いだろー。途中から抜けられるはずは、ない。そのくらい分か
ってるだろー。アメリカは、既に、「許さんぞー」と言ってい
る)
副題:アメリカのTPP交渉の主席を務めている人が「日本が途
中から抜けるつもりで来るのなら、最初から来るな」と発言し
ている。
 (注):これはYouTube聞き書きです。何度も聞き返し、
繰り返しをして作成しました。話者は青山繁晴氏および各氏で
シリーズのNo2です。途中、某討論会の各氏の話も入ります。
カッコ内は小生の記述です。また、本文においても、各氏の発
言を意訳しているところもあります。
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 [ 内 容 ]:青山氏のTPPの反対理由(その2)
 質問に答えますが、TPPに、一旦、参加したら途中で抜ける
ことなどできません。
 抜けられると言う方が居ますが、抜けられません。
 信頼のできるアメリカの当局者で交渉途中で抜けて行った人
は一人もいません。
 日本で大きな記事にならなかったことが、不思議なんですが、
アメリカのTPP交渉担当の主席を務めている人が、日本が一旦
入って抜けるということについて、『途中から抜けるというな
ら最初から来るな』と発言しています。
 何故、この発言が、日本で報道されないのか? 
 『抜けられない』と思っている私たちはその発言で十分です
が、『抜けられる』と思っている方達は、何故、アメリカのTP
P交渉の主席の担当者に問い合わせないのか?
 この抜けるという様な行為をしたら、日米同盟を大きく揺る
がせます。
 これは中国や北朝鮮を喜ばせるだけです。
 これは、日本にとっても、アジアにとっても、また、世界の
民主主義にとっても重大な事態です。
 この様な行動は日本・アジア・世界の民主主義にとって重大
事態です。
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 ジャーナリスト:東谷暁氏の論評
 東谷暁氏(ひがしたにさとし・ジャーナリスト)
 昭和28年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。「発言者」
(平成17年休刊)編集長、「表現者編集委員を経て、平成9
年よりフリーのジャーナリストに。著書は『「坂の上の雲」100
人の名言』など多数。
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(論評内容):国際交渉の途中で、交渉の色々な秘密事項を手
にしてから、「私たちは離脱します」と言うこと自体があり得
ません。
 出来ない行為をする、これは、計り知れなく他の国の信頼を
落とします。
 主体となってやっているアメリカは怒り狂うでしょう。
 今までの経済交渉で、途中で降りたというケースはあります。
 「アメリカ中米FTA」という、または、CAFTAという、その
交渉の中で、2000年代になってから、コスタリカという国が、
最終日に、電機の規制をめぐる交渉をしていたのですが、『交
渉をしていられない』として、アメリカが『全部解放しろ』と
言った事が切っ掛けで、これは、最後までだましていたのです
が、最後に我慢できなくなって席をけって会場を後にしました。
 これでアメリカは完全に怒りました。
 5年後に、ドミニカを入れた同じCAFTAに、強制的に入れて
しまったという、この時は、ほとんど条件は悪かった。
 また、OECDのISD条項(投資家対国家の紛争解決)で、ア
メリカがこの条項を入れようと強引に、1996年ごろやった時に、
フランスが離脱した。
 この時は、他の大国が暗黙の支持をした。
 この様に、他の大国が支持した時には抜け出ることができる
という事例はあります。
 しかし、ほとんどの大国が支持してくれなければ駄目です。
 ある討論会で、外務省の官僚出身の議員さんが、アメリカは
途中で抜け出したことがあると発言しましたが、京都議定書で、
アメリカは批准をしないでけった。
 超大国アメリカなので、非難はされたけれど、国際的に制
裁を加えることはできなかった。
 何故できないか。相手が大き過ぎるからです。
 今、問題になっているTPPの場合ですが、コスタリカの様な
例で『抜けられる』とは完全に言えません。
 2番目の、『他の大国が支持してくれる』ですが、TPPに他の
大国はありますか?
 他の大国はありませんから、これも駄目です。
 3番目ですが、日本は超大国ですか? 完全に、この事例にも
当てはまりません。
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 関岡英之氏(関岡英之・ノンフィクション作家):
 昭和36年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、東京銀行(現
三菱東京UFJ銀行)入行。退職後、早稲田大学大学院理工学研究
科博士課程修了。『拒否できない日本』では年次改革要望書を介
した米国の日本に対する内政干渉を検証して、23刷のロングセラ
ーとなった。
(論評内容):
「TPPに参加することと、交渉に参加することは違う」と言い出
したのは、そもそも、枝野経済産業大臣だと思います。
 TPPの生みの親のシンガポールのゴーチョクトン氏でしたか、
誰かに会って、「賢者から知恵を授かった」みたいな形で言い
始めた。
 これはいかにも枝野さんらしい、弁護士出身らしい、言い逃
れ的な詭弁です。
 これに対してアメリカがさっそく、10月29日付の朝日新聞で、
アメリカのワイルド主席交渉官が『真剣に結論を出すつもりが
ない国は、交渉に参加しないでほしい』と、如何にも日本に対
して、その様な態度に苛立(いらだ)ちを示したという。
 アメリカが「許さんぞ」と言っている訳です。
 今、海外の例で、途中から国際交渉を離脱した例を話し合っ
た訳ですが、日本が国際交渉を途中から離脱した例を調べて見
ると、日本にはその様な例はありません。
 先程、話題になった京都議定書、中国は削減義務を負ってい
ません。
 アメリカは離脱してしまった。
 日本は、あまりメリットがなくなってしまい、過重な負担を
負うという事になっている。
 日本は、京都議定書を更新したくない立場になっている。
 ならば、日本が席をけって抜けられるか?と考えた時、抜け
ることはできません。
 IWC(国際捕鯨委員会)では、日本とノルウェーとアイルラン
ドは、リンチをされに行くような状況です。
 日本にとって何の国益もない国際会議となっています。
 しかし、抜けることなどできない状況です。
 個人的には脱退して、勝手に捕鯨を始めればよいと思ってい
ますが・・・。
 究極的に問題なのはNPT(核兵器不拡散条約)です。
 これは、戦勝国の談合そのものです。
 日本は、核を保有していませんがこの中に入っています。
 NPTの第10条に脱退条項があります。
 しかし、日本は1度も検討したことはありません。
 アメリカの態度から自省するという意味合いもあります。
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東谷暁氏:枝野さんもわざわざゴーチョクトン氏の所へ行って
聞いて来た形にしましたが、これはやらせでした。
 2月の時点で、ある省庁が想定問答集というものを作って、既
にこの様な事が入っています。
 交渉は参加しても出ることができると・・・。
 TPP推進派の官僚が考えたレトリック(巧言。巧みに言い回
した言葉)で、この様な言葉を日本国民が信じてはいけません
(過去のいろいろな事例からはっきり駄目と分かりますから)。
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青山繁晴氏:野田首相が、9月に初めて、アメリカに行って日米
首脳会議をやった時に、オバマ大統領に言われた本当のことは、
沖縄の基地問題なども言われたけれども、本当に言われた事(
神髄)は、「貴方はやめるな」と言われた。
 これは、オバマさんにしては、自由民主党を含めて、日本の
首相が次々に辞めるから、とにかく『あなたは政権を続けなさ
い』と言われた。
 そして、アメリカの言うことに理解を示さなければ、鳩山さ
んの様に短命で政権はつぶれますよと示唆された。
 逆に言えば、政権を続けたいなら我々の言うことに理解を示
しなさいと言われている。
 これは私が勝手に考えたことではなくて、日米会談に同席し
た人から聞いています。
 質問者の方は、TPPは、日本の植民地化の様に感じると言わ
れますが、また、どう防ぐかと言われていますが、これを防ぐ
には民主党の野田政権が、政権の座から降りる事しかありませ
ん。
 衆議院解散・総選挙しかありません。
 TPPに参加表明している野田政権が、このままで、続くのな
ら、止めることはできません。
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(参考)ISD条項:投資家対国家の紛争解決 (Investor State Dispute Settlement、ISDS) 条項(以下「ISDS条項」という。)とは、当該条項により保護される投資家[1]に対し、外国政府に協定に違反する行為があった場合の問題解決手段として[2]、国際法上の自らの権利として外国政府を相手方とする紛争解決の手続を開始する権利を与えるために、国際取引に関する条約に置かれる条項である。ISD条項と略される場合もある。
(参考)NPT:核拡散防止条約(かくかくさんぼうしじょうやく、Nuclear Non-Proliferation Treaty、略称:NPT)は、核軍縮を目的に、アメリカ合衆国、ロシア、イギリス、フランス、中華人民共和国の5か国以外の核兵器保有を禁止する条約である。正式名称は核兵器の不拡散に関する条約(かくへいきのふかくさんにかんするじょうやく)。核不拡散条約とも訳される。
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参考資料:http://www.youtube.com/watch?v=SxiO69GgO_U&list=PLCB4EEEBCE83BE295
YouTube: (TPP)抜けられない日本/交渉離脱不可能の状況証拠【青山繁晴