オランダ流の発想 長坂寿久さんに聞く(日経新聞)・・に思う

オランダ流の発想 長坂寿久さんに聞く(日経新聞)・・に思う

☆ 「 市民、NPO通じ 政治参加 」
☆ 「 国 ・ 私益を超え 人類愛 」

☆著者 : 長坂寿久(ながさか・としひさ)氏
 1942年神奈川県生まれ。拓殖大教授。65年明治大卒、
 日本貿易振興会(当時)に入り、シドニー、ニューヨーク、アム
ステルダムに駐在。99年から現職。
 2009年に長年のオランダ研究の功績により同国から「蘭日賞」受賞。
 著書に『オランダモデル』 『オランダを知るための60章」 など。

☆ 『 異質なものへの 寛容さと平等主義が
                歴史によってはぐくまれた 』

 オランダと言えば、日本では江戸時代の長崎・出島が連想される
 ・・長坂寿久さんは
 日本貿易振興会(現日本貿易振興機構)のアムステルダム所長と
して1993年から約4年間、オランダに駐在。
 かつて生活した米国とは異なる社会システムに注目し、本格的な
研究を始めた。(筆者注:米国はキリスト教徒の多い国)

 『自分に迷惑が及ばない限り、あなたは何をしてもいいというよ
うな寛容さと黙認の文化がある国だと感じました。

 これは17世紀のオランダの黄金時代に根っこが形成され
 当時、覇権国家となって商業が発展、アムステルダムは欧州の中
継貿易センターになりました。

 人種や宗教が異なる多様な人々が去来した。
 経済成長を遂げるには、異質であっても自分たちに意味のある人々
を受け入れる必要があり、寛容性の素地が出来上がっていったのです」
 (筆者注:多様性ある人々の 『 存在の是認 』
  その多様性を持つ人々の考え方・行為への寛容さ。
  異なる人種や宗教。
     異質さに 『 意味がある 』 と捉え、受け入れる)

 オランダの国土は
 ほぼ九州に匹敵・・4分の1は海面下
 堤防がなければ国土の65%が水で覆われる

 そこから独特の平等主義も生まれた
 『堤防の前ではみんな平等』 という思想
 堤防は全員が協力、対処しなければ守れない
 一か所でも決壊すれば国は水没する

 そこでは
 上下関係やヒエラルキー(ピラミッド型の序列)は 『 不要 』

 何百年にもわたる堤防を守る行動が
               対等・平等主義を定着させた
 (筆者注:現在、地球は、このオランダと同じ様な状況となって
いる。
 CO2問題も地球上の人々・全員が対処しなければならない人類存続
の課題であり
 また
 この他にもこれから対処しなければならない同様の課題が
   累積している状況。
 この様な時、上下関係や序列・ヒエラルキー
               『 不要 』 と言っている
 小生の日記
  「近代の最先端科学は『キリスト教の間違い』を証明した」には
 キリスト教の教義・ヒエラルキーの教義は
 科学部門でも否定され
 科学の発達の阻害要因となっている事が証明されていると)

☆ 『 政府と企業とNPOが対等な立場で話し合う 』
 オランダは
 非営利組織(NPO)が欧米の中でもとくに発達した社会
 市民はNPOを通じて日常的に
               政治に注文をつけている

 「政策決定にかかわるNPOの力には驚きます。
  政府は何か法律を作る際には 検討作業の最初から、
 関係するNPOの代表をすべてと言っていいほど呼んで意見を聞く
 審議会をつくる
 現場の市民の要求が次々と吸収され
 より実態に即した政策作りにつながる」

  (オランダ以外では)
  「市民の声は・・選挙の時しか反映されない
  政権は、主に産業界と相談して法案を作成
  この結果、企業の力は強まったが民意がないがしろにされた」

 長坂さんは政府、企業、NPOが対等な立場で政策決定に参加する 
仕組みを 「オランダモデル」 と名付けた。

 従来は政府と産業界が利害調整して
 法律などを作る「2セクターモデル」が戦後、どの国でも主流だった

 『この国では全雇用者に占めるNPO関係者の比率は12%を超え、 
先進国の平均7%を大きく上回る
  それを支える理念はパブリック(公共)の利益

 国益や私益を超えた人類益、地球益を守ること
  それがNPOの役割であると認識されている
  だから尊敬もされています」・・以下、略
 (筆者注:キリスト教の教義は信じる者は救い、信じる者は自分
 たちの枠内に入れ、信じない者は切り捨てる、「異教徒は生かし
 ておいてはならない」、「(キリスト教の)神の義によって、人
 を誅してよい」である。
  この教義は間違っている。 『 変えなくてはならない 』 
     特に、地球の今をみると )