アフリカの国・カルタゴ 「 唯、自由に生きるために戦った 」

 題: アフリカの国・カルタゴ 
          「 唯、自由に生きるために戦った 」

 その昔、
 ローマの国 と カルタゴの国 とが
 百年余りにわたって
 西地中海の覇権を争って
 三度の大戦争
 繰り返した

 カルタゴ
 歴史上 存在していたのは、
 紀元前9世紀末から
 前2世紀半ばまでの 約750年

 大商船隊を擁して
 世界の富を得た

 カルタゴの隆盛は、
 軍事力の 隆盛では なかった

 国民軍を ほとんど 持たなかった

 カルタゴは、
 その歴史の初めから
 軍事力で権勢を得ようと 思ったことは
 一度もなかった

 豊かな財政力に物を言わせて、
 必要な時、
 傭兵隊を募集し
 編成しただけであった

 外交のつながりが
 カルタゴの 防衛の
 基本線であった

 西地中海に覇を握り
 東地中海にまで 雄飛しようとしていた
 ローマには
 このカルタゴ
 邪魔であった

 特に
 歴史の最後の 百年間は、
 ローマにとって宿敵で
 反カルタゴをとなえれば
 愛国者となった

 「カルタゴを滅ぼせ」 が
 愛国者の合言葉だった

 ローマの保守的政治家、
 タカ派大カトー
 特に 尖鋭的だった

 紀元前149年
 ローマの カルタゴ殲滅戦が 始められた

 恭順の意を 示したカルタゴ
 ローマは 容赦しなかった

 カルタゴは、
 徒手空拳で 3年間
 絶望的な
 抗戦をした

 ローマのカルタゴ撃滅と
 破壊は
 史上稀に見る 残酷で
 非人道的な
 ものであった

 カルタゴの 跡地は、
 町はおろか
 一木一草も 残らずに
 きれいに
 整地 された

 最後まで
 抵抗して
 生き残った
 5万の男女は、
 一人残らず
 奴隷に
 売られた

 旧農地は、
 そこに
 作物ができないように
 塩が
 まかれた

 カルタゴ
 人たちは、
 ローマの 侵略軍の
 総攻撃を前に
 最後まで
 血みどろに なって
 戦った

 それは、
     自らの覇権のためではなかった

     唯、自由に生きるために戦った

 他国に
 迷惑をかけず
 経済的な活動で
 世界をつなぎ合わせる仕事を
 遂行するための
 戦いであった

 ローマ人は、
 自分たちの戦争を
 常に
       「 正義の戦争 」 と言い
       『 聖戦 』 と 称し続けた

 自分たちの戦争は、 侵略戦争ではない と
 理屈を
      ごね続けた

 ローマの戦争は  ローマの神々の戦い であり、
 絶対不敗の 聖戦 だと
 主張し 続けた

 このような ローマ人の 聖戦論 は
 カルタゴ
 徹底破壊と
 残虐行為によって、
 そのまやかしが 暴露された

 ( まやかし。全く今の アメリカが
 思い浮かぶ
 イラクでの行為 は
 世界から ユニラテラリズム と
 非難された
 結果的に独善的気配が・ )

 カルタゴの破壊と
 その歴史からの 消滅は
     ローマの不名誉な 非人道性を
        暗黙のうちに あかしている

 小スキピオ・・
   「 いつの日か ローマも同じ運命に 会うであろう 」

 (参考)
 カルタゴ:イタリアのシチリア島を挟んだアフリカの国。

 紀元前820年頃や紀元前814年頃に
 夫々建国されたという記述あり
 裏付けはない
 670年〜683年にかけて再び攻撃を受け
 陥落した。

 第一次シチリア戦争:紀元前480年・540年。
 第二次シチリア戦争:紀元前405年・398・409・397・340
 第三次シチリア戦争:紀元前315年・311・310・307
 他、
 戦争の経歴は 多数
  戦争の中に 歴史がある感じ
  「 慢性的戦争状態 」 という 言葉が

 また、
 「地中海世界」 の 
 「 中心」たる
     ギリシア・ローマ文明社会 は
 周辺蛮族世界の 収奪の上に
 その存在が
 可能となったと
 総括の 言葉が言える。

 そして
 ローマ帝政期は
 皇帝権力の専制化が
 特に
 はなはだしく
 自由が
 圧迫され
 他方では
 美徳が忘却されて
 道徳的頽廃が
 蔓延している  暗黒の時代であった

 権力におもねり
 暴君から身を守るために
 友人を裏切り
 自分の快楽を 追い求めて
 他人の妻をすら奪う
 そういう事が日常化している 時代であった

 掠奪し
 殺戮し
 強盗する事を
 彼らは、「支配」という
 偽りの名で呼び
 人すまぬ荒野を作ると、
 そこを彼らは 「平和」 と名づける
 ローマの側にも
 われわれの最も愛する子供や大切な肉親が、
 「 ローマが課した徴兵制度で奪われ・・・」
 嘆きの声が満ちていた

 参考資料 : ローマはなぜ滅んだか (講談社現代新書
        Wikipedia、ほか