俺は正しいから、今から攻めるゾ・・

 題:俺は正しいから、今から攻めるゾ・・
   「潜在的危険」に対して「先制攻撃」を行なう事が
     できる・・正しいか?
...(悲惨な戦争を無くせないのでしょうか。切なる希望について)
.
 「もし、
 罪の無い人々の生活に対する危険が存在する事が確実で、
 侵略者の動機が、無慈悲な敵意に満ちている場合には・・
 釣り合いの取れた範囲での武力の行使は、
 道徳的に正当化される」。
 これは正しいのか?
 これによって、武力は行使できるのか?
 これは、誰が言ったか?
 これによって、誰が殺されたか?
 言っている側が『圧倒的な武力』をもっていて、
 バランスの全くない(相手は弱小者)の武力衝突の場合
なのですが、
 貴方はどう思いますか? 
 言っている側が、戦った場合、戦争には『絶対』負ける
状況にならない状況にあります。
 この考え方の延長線上にあったのは、「危機に対する予
防的武力行使を認める(是認)」となり、
 「予防行為」が正義だとされた。
 予防のための情報収集の「予防拘束(逮捕)」が正義と
され、
 法律で『行為が認められた』(法治国家において、法的
に正義とお墨付きが与えられた)。
 また、予防のための情報収集から「盗聴をして良い」と
された。
 そして、この法律の名前が、
 『愛国者法』と名付けられた。
 つまり、「この法律はおかしい」と発言すると、愛国者
ではない、「非国民だ」と、皆に、言われる国の雰囲気の
中に、国の状態が仕組まれた。
 この様に仕組んだのは誰で、どこの国か?
 当然、国民の権利・市民権は制約され、制限された。
 そして、この法律が『強行され』、『強行実施』された。
 この様な法律が通るくらいだから、国の雰囲気はファッ
ショ化し、その様な方向へと導かれて行った。
 そして、「愛国者では無い、非国民だ」の合唱が、違う
考え方を出しにくくしていた。
 国は、熱にうなされるようにさ迷い、アフガニスタン
空爆を始めた。
 『不朽の自由』作戦と名付けられた。
 作戦は「朽ちる事の無い自由」という意味である。
 こちらには自由という『錦の御旗』があり『正しいのだ』
と。
 そして、その正しい自由は、朽ちる事は無いのだと、フ
ァッショ的に国民を『煽動し洗脳した』。
 国民は、皆、一定の方向へ向いて、同じ考えをし、事を
行なっていた。
 時は、2001年10月である。
 米軍による激しい空爆と、地上軍が連携して攻め込んだ。
 12月にタリバーン政権は崩壊した。
 米軍が目指したオサマ・ビンラディンの逮捕には失敗し
た。
 そして、次の照準が「イラクフセイン」にあわされて
行った。
 そして、いつも、『我々の側』に『正義があるのだ』が
叫ばれていた。
 『当然の行為なのだ』と、『良いのだ』と、国民の方々
も、世界も、当然の行為との声に違和感を感じない意識に
なって行った、ならされていった。
 いつもやるように、父が「中東のヒトラー」と、アジ的
標語を付けたが、この行為の実施者であるその子供は、「
悪の枢軸」と名指しした。
 そして、「大量破壊兵器を持つ独裁者だ」とした。
 子は、父の仕事を引き受け、「それは当然なのだ」との
意識で、自分なりに真剣に考えたのでしょうか?と問うて
みたく思われた。
 「潜在的危険」に過ぎない事を、「潜在的危険」だけで、
相手を攻撃する事を『しでかして行った』。
 それを正義とし、それは正義だとした。
 明日、貴方に、「危険を感じたので予防の意味から『予
防拘束(逮捕)します』」と言われたら・・、
 貴方はどう思いますか?
 そして、貴方は武力を持っていますので、『戦争行為で
もって』それを実施しますと言われたら・・、
 貴方はどうしますか?
 正義の名の下に、当然の様に、そうされるかもしれない
世界なのです。お前は悪なのだ・・。だから、仕方ない・・。
 ブッシュ(子)大統領は、それを、「正しいんだからや
るんだ」とした。
 当然、その行為は、戦争状態になり(戦争状態にして)、
戦争の中に、未来あるアメリカの青年の方たちは亡くなっ
て行った。
 そして、このイラク戦争に、何にも関係が無い「イラク
の方たち」も、大勢、亡くなった。
 無慈悲な、可哀想な死となった。
 ブッシュ大統領は、「我々の生命を守るために、必要な
場合には、先制的行動を、前向きかつ決然と、準備する必
要がある」と言った。
 『我々の生命』という言葉である。
 そして、先制的行動=奇襲攻撃がオーケーの考え方であ
る。
 「潜在的危険」に対して「先制攻撃」を行なう論理を
 『ブッシュ・ドクトリン』と言った。
 「内政不干渉」の原則は『無視するどころか』、積極的
に否定するという『蛮行の論理』で、
 アメリカ南部のバイブル・ベルト地帯のキリスト教徒に
支持母体を持つ大統領は、
 「イエスの夢を見たから決断した」と言って、戦争に突
入して行った。

        • そして-------------------------------------------

 『我々の味方で無ければ敵だ』とブッシュ(子)大統領
は何度も言った。
 9・11に、世界貿易センタービルが攻撃された時、世界
に生きている人類が何度も死ぬという大量殺戮兵器を持っ
ているアメリカの最上位の地位の大統領が感情的に言った
言葉だった。
 議会は、全権を大統領に与える決議をした。
 冷静さを欠いた議決の様にも思えた。
 大統領は、キリスト教の神への祈りを公式の場の発言で
あるが繰り返し発言した。
 演説したそのほとんどを「(キリスト教の)神よ、アメ
リカに祝福を」という言葉でキリスト教聖職者の様に使い、
締めくくった。
 1980年代のアメリカ大統領は、地域の介入について、
アメリカのすべての国民へ対し、国民の世論を気にしなが
らしていた。
 が、今はその反対に、ほとんど神がかり的に、「悪に対
する正義の戦い」と国民に向けて呼びかけていた。
 アフガニスタンが、アメリカの軍事力行使の地となった。
 行動や手段について、合理的な議論がなされたという訳
でも無く、また、倫理的な事についても、許されるのか?
の議論は無く、相手は「絶対悪なのだ」で議論の余地など
無いという論理で、民主主義国家としての議論による理知
的結論を経て、行っていくという姿とは程遠い状況だった。
 「絶対悪に対する自衛で、手段なんて選んではいけない」
という姿だった。
 「揺るがぬ正義が我にあり」だけであった。
 テロに対し、法的な悪行為だとして、警察行為で処理し
た、これ以前の事例もあったが、
 これは「戦争によって反撃する」のだと、論理的な裏付
けなど無い行動が採用された。
 そして、「新しい戦争」という意味不明・内容不明の言
葉が使われ、戦争行為の選択が正しいのだの印象をアメリ
カの国民の方たちや世界の人々へ与えた。
 また、戦争の選択だとしても、戦時国際法で、当然、認
められる地位や権利の保護もまったく認められない状態で、
「絶対悪」なのでそれで良いのだとされた。
 「捕虜」の権利もほとんど認められなかった。
 そして、捕虜なのか?犯罪者なのか?もまったく不明状
態だったうえ、相手から総てを奪(うば)うことも辞さな
いという、『宗教戦争』の形体だった。
 行為も『壊滅作戦』が採(と)られ、新しいと名付けら
れた戦争だったが、時代が逆流した『中世の宗教戦争の行
体』が現出した。
 誰が誰のために戦うのか?不明の状態だった。
 アメリカは攻撃を受け、だから、アメリカは反撃をした
という形はあるが、リーダーのブッシュ大統領は、「世界」
や「文明」がテロとの戦争を始めたのだと、抽象的な発言
を繰り返した。
 ブッシュ大統領の発言、「これはアメリカだけの戦いで
はない。脅かされているのはアメリカだけでの自由ではな
い。これは世界の戦いだ。これは文明の戦いだ。これは、
進歩と、多元主義と寛容と自由を信じる、総べての人々の
戦いだ」とアジ演説的な演説をした。
 世界や文明が戦うのなら、アメリカ大統領だけが全権を
持って代表の様にやれるはずはないのだが・・・。
 国連はつんぼ桟敷だし、軍事行動をおこすなどもっての
ほかだった。
 ブッシュ大統領は、これを「自衛戦争なのだから、国連
の承認は不要」と言った。
 都合良く、ここにアメリカの自衛戦争の論理が顔を出す。
 アメリカの自衛のためなのか?「世界」や「文明世界」
が自衛の主体なのか?が都合良く、右の手の論理を出した
り、左の手の論理を出したり・・・。
 論理の統一性・整合性はまったく無い論理展開の中を、
武力だけは行使されて行った。
 そして、アメリカの若い方達の命や、相手の国の戦争と
何ら関係の無い方達の命が失われて行った。
 テロ組織を捕まえるという戦争だったはずが、タリバン
との戦争に変わるという行動自体もあやふやさがあった。
 そして、圧政下の民衆を救うのだに変わる戦争行為だっ
た。
 しかし、アメリカの若い命や、本戦争と何ら関係のない
相手国の方達の命が亡くなっていった。
 アフガン空爆を好きにやり、「無力な民」をと抽象的シ
ンボルに仕立てて、救出するのだと・・・。
 この構図を押し付け、「我々の寛容を知るだろう」と叫
ぶ。
 アメリカ国民だけが聞けるだろう場で、我々は爆弾と前
後して飢えに苦しむ人々や子供たちに「食糧・衣料品や物
資」を投下していると述べる。
 そして、寛容と述べる。
 そして、爆弾で人々が居なくなった村から撤退して行っ
た。
 戦争は終結した訳ではなかった。
 アルカイダとの目的も達した訳ではなかった。
 繰り返された数々の空爆で、山岳地は地形が変わるほど
だった。
 残ったのは昔の面影のない、山の稜線が目に見えて変わ
った姿だった。
 ビンラディンは逃げた。

      • そして------------------------------------------

対テロ戦争」の進行の中で、アメリカに「軍事協力」す
る事が日本の「国際貢献」であるかの様な議論が横行して
いた。果たしてそうなのか?
 アメリカの軍事思想や軍事文化の「特殊性」を本当に理
解した上だったのか?
..
   (詳しくは、以下のブログへ)
URL:http://blog.goo.ne.jp/hanakosan2009 /