力を合わせれば、はるかに素晴らしい世界を築くことができるはずだ。

 題: 力を合わせれば、はるかに素晴らしい世界を築くことができるはずだ
...(真を求めて 皆様と共に幸せになりたい)
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 1972年に、ヨルゲン・ランダース教授は、未来を予測した
成長の限界」を、委嘱された国際調査研究機関のローマ・ク
ラブで発表すると、世界に激震が走った。
 それまで、呑気(のんき)に構(かま)え、成長策の一辺倒
の世界が、「持続可能性」を考えざるを得ない、きっかけとな
った。
 この時から40年の昨年(2012年)、ダンダース教授は、最新
のコンピューターモデルを使って、再び、ローマ・クラブへの
報告書として『2052』を発表した。
 様々な統計資料、経済学者や生物学者、投資家ら40人の専門
家による検証をもとに分析し、2052年までの世界を予測した。
 それによると、世界人口は、2040年代初めに約81億人でピー
クを迎え、その後は減少。
 世界経済は、成長を続け、GDPの世界合計は、現在の2.2倍と
なる。
 ただ、成長にはかなりの地域差があり、中国が最も成長する。
 一方で、先進国住民の可処分所得は、あまり増えない。
 また、現在の貧困国の大半は、貧しいままだ。
 心配される石油などの資源枯渇や食糧問題、気候問題は、
 壊滅的レベルには達しない。
 ただし、人類は現在、世界の森林と海が吸収できる量の2倍に
あたる温室効果ガスを、毎年、放出している。
 今世紀前半に、集中的対策を進めない限り、世紀の後半、凍
土が溶けて放出された温室効果ガスのメタンが、更に、気温を
上げるといった、温暖化の自己増幅が始まるという。
 そして、干ばつや洪水、昆虫の大発生など、歯止めがきかな
い気候変動に人類は多いに苦しむ。
 ランダース教授は、短期志向になりがちな資本主義と民主主
義では、問題解決の対応が手遅れになると警鐘を鳴らしている。
           (以上、参考・読売新聞2013・7・1)
 ヨルゲン・ランダース教授は言う、「投資の流れを変えるこ
と。
 現在、世界のGDPの約25%がインフラ整備や資源開発といっ
た投資に使われています。
 40年後の未来へ向けて、その内の2%を資源枯渇、環境汚染、
生態系破壊、気候変動を避けるための予防的な投資に変えてい
けば、ほとんどの問題は解決することができます。
 別の言葉で言えば、現在の労働人口と資本の2%を気候に優し
い生産とサービスに移行するということです」。
 「ローマ・クラブ」は、スイスに本部を置く、世界的な民間
シンクタンク
 最後に、ヨルゲン・ランダース教授の言葉:「どうか、私の
予測が当たらないよう、力を貸してほしい。力を合わせれば、
はるかに素晴らしい世界を築くことができるはずだ」。