私達は人々を開放するのだと思っていたが、実際は、私達は開放したのではなく征服した。

題: 私達は人々を開放するのだと思って居たが、実際は、私達は開放したのではなく征服した。
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 新しいキリスト教国家を作ろうと、新天地アメリカに渡った
キリスト教徒のピューリタンたちは、キリスト教的な考え方・
教義に染まり切っていた。
 これまでの数々の歴史的に行なって来た悪行の史実も示して
いる様に、ここアメリカに於いても現地人・先住民を異教徒と
見て、駆逐の対象とした。
 キリスト教の「異教徒は殺せ」の教義である。
 南米・中米、そして、それらの離島などで繰りひろげて来た
殺戮に継ぐ殺戮の行為と同様に、北米・アメリカにおいても、
先住民・インディアンの方々を殺戮のし放題をした。
 「フロンティア・スピリット」と自らは美化して言うが、イ
ンディアンの方々の土地を次々と奪い、「西へ、西へ」とその
欲望の留まる所を知らぬ悪行為をして行った。
 そして、とうとうその欲望は、インディアンの方々を駆逐し
切ってしまった。
 他人の涙なんかまったく感じないキリスト教徒、自分さえ良
ければ良いという「キリスト教聖書」にも記されるている事と
まったく同様な様相だった。
 (民族宗教キリスト教は、自分たちの民族の利のみにしか
教義がおよばない。御調べください)。
 行き着く所の太平洋岸に至っても、その欲望の留まる所は無
く、ハワイ併合や中米の運河地、ミッドウェー島の領有宣言、
ハワイ王朝を武力で倒し、中国が欲しいと、その足場にと、フ
ィリッピンを攻め、スペインと戦争をする。
 そして、スペイン領のフィリピンと同時にキューバも奪う。
 フィリピンでは、「完全独立させるから」と空手形を切って
いたアメリカ。
 フィリピンの植民地化の下心がばれて、フィリピン独立勢力
と、またまた、戦争を始めるアメリカ。
 アメリカは、「善意の同化をしてあげているのだ」などと自
分勝手な論理展開をする。
 今、TPPで日本に自分勝手な論理を押し付けているが、これ
とまったく同じ。
 そして、このフィリピン・ゲリラには「戦時国際法は適用し
なくても良いのだ」と、勝手な自分にだけに都合の良い論理展
開をし、「捕虜への保護義務を放棄」し、残忍なゲリラ平定戦
争をする。
 それも、徹底した非人道的やり方で。
 アメリカ軍は、捕虜を拷問したり、殺害したりし、民間人を
虐殺したりした。
 そして、無差別な焦土作戦で焼けつくしたりした。
 この考え方は、ベトナム戦争に於いてもまったく同じであっ
た。
 この状況を伝える兵士の手紙「戦闘が行なわれたマイパホの
村には、5000人が住んで居たが、今では重なり合った石ころと
て一つも無いと言うありさま。その荒廃ぶりは人々の想像を絶
するものとなっている。地獄より酷(ひど)いという状況だ」

 そして、この状況を知った作家のマーク・トウェインは「私
達は、フィリピンの人々を開放するのだと思って居た。私達は
開放したのではなく、征服したのだ」。
 恐ろしい事に、アメリカ国内では、マスコミ操作、世論操作
がなされ、「対先住民戦争に似た『人種戦争』なんだから、手
段を選ばないでやって良いのだ」という論理が高まった。
 大統領運動中のセオドア・ローズウェルトは、「野蛮との戦
いなので(良いのだ)」と強調した。
 フィリピンの人々を「ニガー」と蔑む呼び方をしたり。
 アジアの方々を蔑称する「グーク」と呼んだり、自らの残虐
行為に対する自制心をまったく失っていた。
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[追記]:
 アメリカ国民は、アメリカの建国の理念が、はっきりと『海
外植民地を否定』しているのに関(かか)わらず、アメリカ国
民の多数は、海外領土の領有を欲(ほっ)した。
 米比戦争に於いて、20万人ものフィリピンの民間の方々が犠
牲となり、フィリピン兵士の2万人を大きく上回った。
 これに対し、米軍の犠牲は4千人だった。
 戦後、アメリカ軍による様々な捕虜への拷問や虐待が明るみ
に出たり、数々の不名誉な行為の米軍だった。
 また、フィリピンの民間の方々を強制移住させたりとの弾圧
の実態が明らかとなっりした。
 (アメリカ先住民のインディアンの方々を虐げたやり方とま
ったく同じ)。
 セオドア・ローズヴェルト大統領は、「未開と野蛮という暗
い勢力に対した、文明の勝利」だと発言し、自画自賛した。
 その後、アメリカは、フィリピンの独立に際し、「米軍基地
と通商上の特権」をフィリピンに認めさせたりした。
 以後、アメリカは、海外基地の確保による「政治的影響力の
保持」と「経済進出」をセットにするようになった。
 アメリカ国内でもこの戦争は「不名誉な戦争」とのレッテル
が貼られている。