「笹子トンネル崩落事故」について・・の、その後

題:「笹子トンネル崩落事故」について・・の、その後
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(2012・12・9)の読売新聞によると・・・、
 山梨県中央自動車道上り線・笹子トンネルの天井板崩落事
故で、天井板をつるす鋼材をトンネル内壁に固定していたアン
カーボルトの大部分が、樹脂性の接着剤に覆われた状態で脱落
していた事が8日、捜査関係者への取材で分かった。
 接着剤の劣化が崩落につながった可能性が高まり、県警は、
中日本高速道路と保守点検を担当する子会社が、劣化の危険性
などをどう認識していたか捜査をすすめる。
 以上の記事は、小生が記させて戴いたブログ記載の様に、ト
ンネルコンクリートにドリルで削孔した穴の孔壁と、アンカー
ボルトをその孔に挿入し、そして、注入した樹脂との界面での
剥離だと指摘させて戴いた方向に向かっている記事となってい
る。
 上記の記事は「アンカーボルトの大部分が樹脂性の接着剤に
覆われた状態で脱落していた」と記している。
 これは、アンカーボルトと接着剤は一体となっていたという
ことであり、崩落の原因となった剥離界面は、その接着剤と削
孔の孔壁の界面だと言える。
 その界面剥離が剥落させた界面である。
 記事は「接着剤の樹脂の劣化が崩落につながった可能性が高
まった」と記しているが、樹脂の劣化ではなく、ドリルでの削
孔時に発生したのホコリ・粉塵の除去が、完全に、物理的にも
、できないため、注入した樹脂の削孔壁面への「付着面の接着
」が十分ではない状況での接着状態になったためと言える。
 削孔壁面への樹脂の接着が完全な「ぬれ(濡れ)状態になったかどう
か」という事である。
 硬化乾燥したコンクリート壁面に樹脂を注入して、固化した
場合、注入した樹脂がそのコンクリート壁面を完全にぬれ(濡れ)の状
態にし、残ったホコリ・粉塵を剥離海面とさせないくらいの状
況になり得たか?である。
 上記の記事によれば「大部分が(同じ状態で崩落した)」と
記している様に、一様に同じ状況が起きているということ、こ
れは、一様な原因があったわけと言え、そして、常時の振動の
影響をこの界面が受けていた訳である。常に、重い天井板の荷
重を受けながら。
 新聞の記事は樹脂の劣化と記しているがその可能性は低いと
考えられる。
 やはり、原因は接着界面の問題である。
 また、記事本文にはアンカーボルトには腐食は認められなか
ったとある。 
 また、同紙には、関連記事として、首都高速の羽田トンネル
の件について、天井板が、笹子と比べて、非常に軽くなってお
り、かつ「笹子」は中央の1か所で支える構造であるが、これ
と異なり、2か所でぶら下げる様になっていると記している。
 そして、「金具がいくつか破損しても、安全性は保てる」と
記していることも、小生がブログで指摘させて戴いた様に、笹
子はリスクの捉え方が甘かった(中央1ケ所で支え、かつ、1
か所につきボルトが2本、1本が不十分になった場合、50%の
耐力減少が起きるという設計)と言えることをこの記事も指摘
している。