子供たちの「リンカーンの伝記」は間違っています(その8)

題:子供たちの「リンカーンの伝記」は間違っています
      (その8)
[ 関連事項 ]
 アメリカの最高裁判所が「黒人を隔離しても平等」という判
決を出した。また、人種の違いで黒人と白人を別々の学校で教
育することという法律もあった。
 これはおかしなこと。「隔離しても平等の原理は無い」ので
ある。
 「隔離したら不平等」なのである。人種差別なのである。
 何でこの様な基本的な当り前のことが通らないアメリカ社会
なのか?
 キリスト教の教義・考え方に洗脳されたアメリカにおいては
隔離して平等なのである。
 水飲み場や公園などの公共施設には、どこに行っても「白人
専用」とか「黒人専用」とかと書かれていた。
 バスの座席は、後部が黒人用だった。
 「黒人席」が満席になり、前の「白人席」に空席がいくらあ
っても、黒人の方たちは後方に立っていなければならなかった。
 公の圧力や法的にも虐げられた黒人の方たちでした。
 黒人の方たちは、この様な差別に反対する行動を起こした。
 1953年の事である。
 アメリカでは最近までこの様な差別が公的機関を先頭にして
行なわれている。
 この不合理さに気付いている良心的な白人は少なかった。
 人間の尊厳という最も大切な基本を傷付けている事に気付い
ている白人は少数だった。
 黒人の方たちも含めて、総べてのアメリカ人に、当然、享受
すべき自由、平等、正義があるべきなのに、その大切なものが
一部の方たちに対し、ないがしろにされていた。
 それに気付く白人は少数だった。
 愚かにも南部の白人権力は、特に、白人群衆を巻き込みなが
ら、この歴史の歯車を逆に押し戻そうと必死だった。
 黒人と白人の共学の問題などが起きていた。
 KKKというテロ集団が、特有の異様な白装束に身を固め、キ
リスト教の十字架に火をつけて夜空に燃やしたりした。
 翌日、騒ぎは大きくなり、町には暴徒の群れが充ち溢れた。
 黒人の方たちに投石や棍棒による暴力が加えられた。
 人種暴動の状態だった。
 南部は、特に、人種共学は遅々として進まなかった。
 若者たちが組織した人種差別撤廃闘争は、「入り込み」運動
を展開した。
 黒人の方たちが、集団をつくり、白人専用の海水浴場に入り
込んだり、映画館や公園、そして、黒人の方たちを差別してい
キリスト教会へ「入り込み」運動を展開した。
 愚劣な白人の言葉「黒人は、われわれ白人とは違う。神が、
黒人を罰するために、かれらを白人とはちがう姿におつくりに
なったのだ」。
 白人暴徒が、黒人の方たちが作った黒人教会を焼き打
ちし、幼い黒人少女たちが亡くなるという悲惨な事件など
が続いた。
 頭をめった撃ちに銃弾を浴びて、また鉄鎖で全身をめった
打ちにされた黒人の方、頭蓋骨を割られ、特に、黒人の活
動家がターゲットになった。
 しかし、無罪になる白人。
 今、アメリカでは、黒人の貧困家庭は白人の4倍である。
 『総べての面で、社会的平等が達成されなければならない』。