あのころはよかったなー・・・
☆題: 《あのころはよかったなー・・・》:
青物町商店街の狭い路地。
40メートル先のどんづまりに商店街の守護神、お稲荷さん
がある。
カブ・ニンジン・バナナ・そして尾頭付きの金目鯛が三方
に載せられお供えされている。
小さなキツネの焼き物が飾られている社殿。
1坪ほどで小さいのに「正一位半田稲荷大明神」とたいそう
な神社。
10月10日。ここで秋の例祭があった。
12人が、社殿の向かいにある自治会館に集まり、お神酒を
交わした。
ほとんどが70代。
にぎやかな語り「葛飾の半田稲荷から江戸時代に分かれたの
だろう」
「昔は初午(はつうま)の前に、みんなでお参りにいったもの
だ」。
昭和期の例祭には露店も出た。
子供達もたくさん、駆け回っていた。
映画館も商店街のはずれにあった。
「人通りが多かった。小さい子は父親に肩車をしてもらわ
なければ歩けなかったもんだよ」。
昭和46年に商店街にアーケードが完成した。
今はさびが目立つが。
工事をした人が言う「昔はもうかって、芸者を上げて一晩に
百万使ったこともあった」。
花街は、青物町の隣の宮小路。
いま、地方都市の高齢化と過疎の波が青物町商店街をも襲う。
(参考:朝日2010・11・9)