国家や正義の名の下での・・戦争による大量死が・・無くなる時代は、いつ、来るのだろうか・・・

☆題 : 《 国家や正義の名の下での
     ・・戦争による大量死が
     ・・無くなる時代は、何時、来るのだろうか・・・》:
 
 書評:東京大学名誉教授・本間長世氏、「戦死とアメリ
     ドルー・ギルピン・ファウスト著」(抜き書き)。

 米国の南北戦争は、
 建国後1世紀足らずで国家が分裂し、
 4年間にわたる戦争の末、
 北軍が南軍に対して勝利をおさめ、
 連邦の統一が回復され、
 反乱軍が鎮圧された内戦として記憶されている。

 この戦争の記憶は、
 アメリカ人の間で生々しく受け継がれてきている。

 南北戦争の戦死者の総数は、62万人。

 訳者(黒沢眞里子氏)も注目している様に、
 本書の章立ては、
 「死ぬこと」、
 「殺すこと」、
 「埋葬すること」など 動名詞を使い、
 動的な切り口で叙述を進める事で、
 主題の重苦しさが救われている。

 北部人も、南部人も、
 同じキリスト教の神に祈ったが、
 神自身の目的をうかがい知ることはできないと述べた。

 20世紀は戦争の世紀だった。

 今世紀において、
 破壊兵器はますます精度を高め、
 無差別テロの恐怖は各地に広がっている。

 歴史の教訓は生かされていない。

 国家や正義の名の下での大量死が、
 なくなる時代は何時来るのだろうか。 
               (日経2010・12・19)

(小生:「(キリスト教の)神の義によれば、人を誅しても良
い」の教義では、必然的に戦争は多くなる)