直径123メートルの 巨大ストゥーパ 五木寛之さんの「ブッダ最後の旅 8」

 題 : 直径123メートルの 巨大ストゥーパ 
              五木寛之さんの「ブッダ最後の旅 8」       

インドのお坊さんの経: 
        お釈迦様が、
        ヴァイシャリーにいるときは
        いろんな処に
        仏教が広まっていきました。
        お釈迦様は、
        何事も正直に話すようにと
        繰り返し語っていきました。
        お釈迦様は、
        ヴァイシャリーの人々を
        誰よりも愛してくれました。
        お釈迦様が、
        クシナガラのサーラの森に行くときは
        老若男女、みんなが泣きました。



映 像 : お経を唱えながら、裸足で水に濡れた田の畦道を行く
     仏教僧の映像。
      畦の道に僧の経が流れて行く。
      ・・・。
      悪路を車で進む、五木さん。
      大きく左右にゆれる車。
      警笛を鳴らしながら、乗客を満載したバスと行き違う。
五木さん: イヤー、もう、照り返しがすごいですね。
      イヤー、もうこれは、死にそうだ。
      ナマステー。
      お茶を一杯下さい。
      (お茶の葉を沸騰している鍋に直接入れ、煮て、)
      なんか戦後を思い出すね。
ナレーション: 仏陀の足跡を辿り、連日、悪路を進む、五木さん。
      旅は、まだ、半ばを過ぎたところです。
五木さん: ありがとう。
      あちちっ、・・・旨いですね。
      もう、極楽という感じだな。
      (多くのハエが・・ それを手で払う店の人、周りを飛
      ぶ)
同行者: 五木さん、今までの旅の風情は?
五木さん: イヤー、なんか修行という感じですね。
      前にインドに来た時は楽な旅をしたもんですからね。
      本当は苦行修行の旅なんですね。
      こういう農村を見ないと、インドは分からないという
     のは、本当ですね。
      仏跡は地方の農村地帯に残っている。
      仏蹟探訪の旅 ロマンティックな感じはしますけれど、
      本当は苦行修行の旅なんですね。
      だから観光の積もりできたのでは、もうもたないでし
     ょう。
      お遍路の様な覚悟で、やはりやらなければならない旅
     ですね 苦行の・・・・。
      ナマステ。サンキュー。
      イヤー、またこれはひどい日差しだな。
ナレーション: ヴァイシャリーを出た仏陀は、更に北に向かって
     歩き続けます。
      ヴァイシャリーから北西に、およそ50キロ、当時の
     ヴァッジ国の国境にあたる場所に発掘中の巨大な遺跡が
     あります。
字 幕 : (ケッサリア・ストゥーパ
五木さん: イヤー、これはすごい。あー。
ナレーション: このストゥーパは、紀元200年〜紀元700年
     の間に建てられたものと考えられています。
      本格的な調査が始まったのは、1998年。
      現在発掘されている部分だけでも、直径123メート
     ル、高さ31メートルにおよぶ、レンガ造りの巨大なス
     トゥーパです。
      さらに、この下にどれ程の遺跡が埋もれているかは、
     まだ、明らかになっていません。
     (遺跡を登り、進む、五木さん)
五木さん: あー、ここに仏陀像があるんだね、あー、
     (頭を下げ、手を合わせる、五木さん)
ナレーション: 大パリニッバーナ経によると、旅の途中、仏陀
     前に悪魔が現れました。
      悪魔は、今こそ、尊師のお亡くなりになる時ですと告
     げます。
      まだ、その様な時期ではないと退けます。
     (カラスが、ぎゃーぎゃーと鳴いている)
五木さん: カラスがすごい。
ナレーション: しかし、その一方で仏陀は、死に向かう準備を始
     めます。
     (巨大ストゥーパの周りをくるくる歩く、五木さん。何
     匹ものカラスが木にとまり、ぎゃーぎゃーと鳴く)
五木さん: ストゥーパだから、中に入る事はないんだね。
     (ストゥーパの上も、何匹ものカラスが飛び回る)