南蛮宣教師のころの話・・2題。

題: 南蛮宣教師の頃のはなし・2題。
...(真を求めて 皆様と共に幸せになりたい)
.
その1: 南蛮のキリスト教宣教師たちが日本に来てた頃、
 キリスト教徒になって最初にヨーロッパへ行った日本人が2人
いました。
 1人は、行ってからの生活環境の違いの影響からか、直ぐに
亡くなってしまいました。
 もう1人は生存しましたが、結局は、同じ様に亡くなってし
まうのですが、その一人は、スペイン(イスパニア)国王に、
直接、進言した事柄がありました。
 国王からの返事は有りませんでしたが、当時、スペインは、
すでに中南米の征服・殺戮は終わった段階で、その殺戮の蛮行
し放題をした艦隊は太平洋に派遣されていました。
 日本の近海にも居たと考えられます。
 このヨーロッパへ行った最初の日本人(この人は、キリスト
教宣教師と東南アジアやインドなどのあちこちを、同一行動を
して、その経験・経過を経てから、ヨーロッパへ行っています)
は、この様な状況を当然知っていたのでしょう、『 日本の征
服はしないように 』・・と、国王へ進言をし、頼みました。
 当時の日本に対するヨーロッパ人の見聞は、マルコポーロ
よる東方見聞録に記された「黄金の国・ジパング」でした。
 ジパング探索のエネルギーが、結局、アメリカ発見になった
ということなのですが、スペインの征服者と同行したキリスト
教宣教師たちが中南米で奪った目的もこの黄金でした。
 彼等は、当然、日本との交易に対しても同じ目的・目標があ
り、またそれに加えて、当時、日本産の銀の世界へ流出量は、
その多くが日本産の銀が占めていったという、日本産の銀の産
出量の多さの事情もありました。
 これ等の事は、彼らの探検欲・征服欲・交易による儲け・利
潤欲を駆り立てました。
 当時のスペイン艦隊の行動状況は、スペイン勢力下のメキシ
コとフィリピンを往復するという行動状況でした。
 このスペイン艦隊と日本との間で、血生臭いトラブル・事件
が発生する可能性は、起こり得る事でした。
 惨劇が起こり得ないとは予想されず、そして、まったく予想
されないという状況は、その様相から、ありませんでした(発
生が予測されたので、そこでその日本人の国王への進言となっ
た訳でした)。
 これ等の事が、これから、日本の鎖国政策へとつながってい
く遠因の一つとなったのでした。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
その2: また信長の時代のはなし、インドから、キリスト教
の布教を強力に進めるため、『カブラル』という宣教師が、日
本に派遣されて来ました。
 彼は、『布教長』という日本で一番偉い指導的立場になりま
した。
 このカブラルの日本人観は、「彼等(日本たち)は、自尊心
の高い国民であるから、厳しく取り扱わねばならない」との考
えでした。
 また、カブラルは、日本人を『黒人で低級な国民』と呼び、
その他、侮辱的な表現を用いたりしました。
 (これは、キリスト教の教義から、現地人は、南米でもアフ
リカでも、人間ではないとか黒人と蔑(さげす)められました)
 カブラルは、しばしば日本人に向かい、『とどのつまり、お
前たちはジャポンニス(日本人)である』というのが常で、
 彼等(日本人たち)に対して、彼等が「誤った低級な人間」
であることを理解させよう・・としました。
 この様な態度を、日本人がどれほど嫌悪したことか。
 日本人修道士との間に不一致が招来したのは、当然のことで
した。
 カブラル布教長は、また、日本人を「われらの(ヨーロッパ
人の)習慣にしたいと考え、逆に、ヨーロッパ人を彼等(日本
人たち)の習慣にさせるべきではない・・としました。
 彼によれば、日本人は黒人であり、まったく野蛮な風習を持
っているというのでありました。
 従って、カブラルは、日本の風習には順応しませんでした。
 カブラルは、常に、日本の風習は親しみ難(がた)いものだ
と思い、これを悪しざまに言いました。
 日本の風習を覚えようとはせず、休息の時、またその他の機
会にこれを嘲笑し、自分たちの風習を優れたものと思い込んで
いました。
 この考えは、日本人を立腹させました。
 カブラルは、日本人修道士が知識を持たないようにもしまし
た。
 日本人修道士がポルトガル語を覚えることを許さず、
 彼らの中から司祭が出ぬようにとラテン語も学ばせず、
 学問をさせませんでした。
 カブラルは、日本人は高慢不遜と思いました。
 カブラルは、日本人は悪徳に走る傾向があると言い、
 日本人のための神学校を建てることに反対しました(その様
なレベルの人間ではないと言いました)。
 カブラルは、日本語は難解な言語なので、日本語で外国人は
説教できるわけがないと考えました。
 事実、カブラルは、13年の間、日本布教長として日本で過ご
しましたが、その間、日本語をほとんど学ぼうともしませんで
した。
(あまりに腹ただしいので、以下を略します)(本:「南蛮資
料の発見」・中公新書)をお読みください。
 (私の感想)キリスト教は、プロパガンダ(嘘宣伝)で、あ
まりにも彼ら・宣教師やキリスト教を美化して宣伝し過ぎてい
ます。本文はその実態を伝える1例です。